目次
- 1 はじめに
- 2 食事を見直して体から元気を
- 2.1 プロテインを上手に活用していく
- 2.2 脂質を味方に変えていく
- 2.3 小麦食品が老化を加速してしまう
- 2.4 コレステロール値はホルモンの材料に
- 2.5 オメガ3と6のバランスを見直す
- 2.6 グルテンフリーの誤解に注意を
- 2.7 菓子パンは老化の原因に
- 2.8 揚げ物で老化物質が増加する
- 2.9 人工甘味料は逆効果になる事も
- 2.10 疲れた時の甘い物も逆効果
- 2.11 プロテインはあくまで補助に
- 2.12 エナジードリンクの注意していく
- 2.13 タンパク質不足はメンタルにも影響
- 2.14 コラーゲン製品より食材で作る
- 2.15 フルーツの摂り過ぎは肥満の元に
- 2.16 乳製品が不調の原因にも
- 2.17 糖化を防ぐビタミンB群
- 2.18 酸化を減らしていく食事を
- 3 まとめ
はじめに
今では多くの情報が飛び交っており、「これを飲めば痩せる」「これを飲むだけで健康」「1日10分この運動」などを見ない日はないほどです。
更に「この食材は危険」「この食品を食べ続けると病気になる」などの誤情報も多く、エビデンス、研究結果のないものも溢れています。

その反面、日々研究が進み新しい情報が発見され、常識が変わったり、新薬や治療法が見つかる事も多くなっているのです。
重要になるのは日々の習慣になり、習慣が老化を加速、遅延を左右していくので、今日から小さく習慣を変えていき、健康長寿を目指していきましょう。

食事を見直して体から元気を
老化を加速させる3つの要素に「糖化・酸化・炎症」があり、これらを日々の食事で防いでいく必要があるのです。
PFCバランスは、よく食事の基本とされる食事バランスになり、P(タンパク質)、F(脂質)、C(糖質)を提唱した物で、糖質を毎日の食事で60%摂りましょうと言われています。

しかし、現実ではこのバランスは大きく乱れてしまい、高糖質、高脂質、低タンパク質になっており、その影響が老化を加速させているのです。
以前タンパク質は、運動をする人のためだけの栄養素と思われていましたが、ここ数年でその考え方が変わり、老化を防ぐ、体、脳の衰えを防ぐために重要視されています。

注意するのが、タンパク質の異化することで、異化とは、体に存在するタンパク質がアミノ酸や低分子化合物に分解、変化する過程になります。
体内にあるタンパク質を壊さない、壊す量を減らしていくことが、老化を食い止めるために重要になっていくのです。

まずは、今の食事内容を見直していき変化を加えていきましょう、毎日の食事の変化で老化を抑制して元気で活気溢れる健康寿命の延長を。

プロテインを上手に活用していく
タンパク質や必須アミノ酸は、体の細胞を作り、筋肉や骨、血液の健康を保つために欠かせない栄養素です。

しかし、毎日の食事から十分な量を確保するのは意外に難しく、朝は食欲が湧きにくかったり時間がなかったりしてタンパク質が不足しがちになります。
朝のタンパク質補給は、その日一日の体調や代謝を整えるためにとても大切なポイントです。

そこで役立つのがプロテインパウダーやプロテインバーになり、手軽に飲んだり食べたりすることができ、必要なタンパク質を効率よく補えます。
基本となるタンパク源は肉、魚、卵、大豆などですが、これらとプロテインをうまく組み合わせることで、無理なく一日の必要量を満たせるのです。

例えば、朝食にプロテインドリンクを添えたり、間食としてプロテインバーを利用するなど、生活スタイルに合わせた取り入れ方が可能です。

ただし、選ぶ際には注意が必要となり、甘みの強いプロテインパウダーには人工甘味料や果糖ブドウ糖液糖が含まれている場合があり、無意識のうちに糖質を過剰に摂取してしまう恐れがあります。
選ぶ際は、無添加タイプを選び、自分で味の調整をおこなっていき、きな粉や無糖のココアパウダーを加えれば、風味が増すだけでなく、食物繊維やミネラルもプラスできます。
脂質を味方に変えていく
「脂肪は体に悪い」と思い込み、脂質を極力抜いてしまう人は少なくありません。
しかし、脂質はホルモンや細胞膜、神経の材料となる必須の栄養素。極端に減らすと、乾燥肌・冷え・疲れやすさ、便秘、集中力の低下など、皮膚や心身の不調につながるのです。

大切なのは“量より質”、魚やえごま・亜麻仁に多いオメガ3系脂肪酸は、血管と脳を守る心強い味方です。
料理の仕上げには、酸化に強いエクストラバージンオリーブオイルをひと回し、加熱調理には香りの安定したココナッツオイルを少量使うなど、用途で使い分けると失敗しません。

反対に、揚げ物やスナック、菓子パンなどの“質の悪い脂”は回数を減らしていきましょう。

サバ缶や納豆+えごま油、野菜にオリーブオイル、味噌汁にごま少々のように、毎食どこかに良質な脂を添えていき、0か100の極端な思考をやめ、体格や活動量に応じて小さじ1〜2杯から無理なく増減し、自分の体調が整う“適量”を味方につけていきましょう。
小麦食品が老化を加速してしまう
現代の食生活はパンやパスタ、麺類など小麦製品であふれていますが、老化を防ぐ観点からは、小麦製品を控える意識が重要になるのです。
小麦に多く含まれるグルテンは、腸の粘膜を刺激しやすく、人によっては消化不良や慢性的な炎症の原因となり、腸の炎症は免疫機能を乱し、老化を早める原因にもなるのです。

また小麦製品は、精製された粉を使うため、血糖値を急上昇させやすく、糖化反応(AGEs)の発生を促進し、糖化は肌のしわやたるみ、血管の老化を早めてしまうのです。

さらに、小麦製品の代表であるパンには、砂糖やショートニング、マーガリン、塩分など多くの材料が使われています。
手軽な菓子パンで食事を済ませると、糖質や質の悪い脂質、塩分を無意識に過剰に摂取してしまい、肥満や血管障害、肌の老化にもつながりやすくなります。

最近では、遅延性の小麦アレルギーも注目されており、気づかないうちに慢性的な疲労感や肌荒れ、消化不良を引き起こしているケースも珍しくありません。
とはいえ小麦製品を完全にゼロにする必要はなく、例えば、1日1食だけ小麦を含む食事にする、週末だけパンを楽しむなど、無理のない工夫で摂取量を減らしていくことがポイントです。
米粉パンやそば粉の麺、オートミールなど代替食品を活用すれば満足感を得ながら自然と小麦を減らすことができます。

コレステロール値はホルモンの材料に
コレステロール値が高いことは健康診断などでよく注意されますが、実は「低すぎる」ことのリスクはあまり知られていません。
コレステロールは体に不可欠な脂質であり、細胞膜の主要な構成要素であるだけでなく、ホルモンを作る重要な材料にもなっているのです。

例えば、ストレスから体を守るコルチゾールや若さを保つ女性ホルモン・男性ホルモンといった性ホルモンは、コレステロールを原料として合成されます。
適正なコレステロール値が保たれていれば、女性ではエストロゲンなどの女性ホルモンがバランスよく分泌され、更年期の心身の安定に役立ちます。
しかし、コレステロール値が低下するとこれらのホルモンが十分につくられず、更年期の症状が強く出たり、メンタルの不調や骨粗しょう症などのリスクが高まるのです。

この現象は女性に限らず、男性においてもテストステロンの減少による疲労感や気分の落ち込みといった症状として現れることがあります。
それにもかかわらず、コレステロール値を上げたくない一心で肉や卵といったタンパク源を避ける方が少なくありません。
しかし、これでは逆効果に働き、必要な脂質やアミノ酸が不足すると、体内でホルモンが合成できなくなり、かえって代謝や免疫力の低下、老化の促進を招く恐れがあるのです。

コレステロールは単なる「悪者」ではなく、体を支える材料になるので、検診の数値だけにとらわれず、適正値を保つための正しい食生活を心がけましょう。
オメガ3と6のバランスを見直す
現代の食生活では、揚げ物や加工食品に多く使われるサラダ油や大豆油、コーン油などに含まれるオメガ6脂肪酸を過剰に摂取しがちです。
オメガ6は、細胞膜やホルモンの材料として不可欠ですが、摂り過ぎると体内で炎症を引き起こし、動脈硬化や生活習慣病、アレルギー疾患のリスクを高める要因となります。
一方で、同じ必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸は不足しやすく、脳や血管、心臓の健康に欠かせない働きを持っているのです。

オメガ3には、血液をさらさらに保ち、血圧や中性脂肪を下げるほか、脳の神経細胞を守り、認知症予防やメンタルの安定にも効果があることが多くの研究で示されています。

しかし、青魚やえごま油、亜麻仁油など、オメガ3を豊富に含む食品の摂取量は年々減少傾向なのです。

健康を保つには、オメガ3とオメガ6の摂取比率を「1:2〜4」という黄金比に近づけることが理想です。
例えば、サラダ油をえごま油や亜麻仁油に置き換えたり、週に2〜3回は青魚を取り入れるなど、油の質を意識した食生活に変え、炒め物や揚げ物を減らしていき、オメガ3を積極的に取り入れることで、炎症を抑え、血管や脳の若さを守ることができます。
グルテンフリーの誤解に注意を
健康志向の高まりから、小麦粉を避ける「グルテンフリー食品」が身近になり、スーパーやコンビニでも米粉パンやグルテンフリーパスタなどを見かけるようになりました。

グルテンは、小麦に含まれるたんぱく質で、腸の炎症やアレルギーを起こす人にとっては控える必要がありますが、グルテンフリーだからといって自動的に健康に良いとは限りません。

多くのグルテンフリー商品は、小麦粉の代わりに米粉やでんぷんを使用しています。
米粉は、グルテンを含まないものの、炭水化物としての糖質量は小麦粉と大きく変わらず、血糖値を急上昇させる原因になることがあるのです。

また、小麦粉特有の弾力や風味を再現するため、増粘剤や乳化剤、香料などの添加物を加えている製品もあり、これらは長期的に大量摂取すると腸内環境に悪影響を及ぼす可能性も指摘されているのです。
「グルテンフリー=低糖質」「グルテンフリー=体に良い」ということはなく、健康のためにグルテンフリーを取り入れる場合は、原材料表示を確認し、余計な添加物や糖質が多く含まれていないかを見極めることが大切です。

本来グルテンフリーは、小麦アレルギーやセリアック病の方に必要な食事法になり、健康効果をうたう広告に惑わされず、自分の体質や目的に合わせて賢く選んでいきましょう。
菓子パンは老化の原因に
老化を早める要因として近年注目されているのが「糖化」、糖化とは、体内のタンパク質に余分な糖がくっつき、タンパク質本来の働きを弱めてしまう現象になります。

骨や筋肉、肌、ホルモンなど、体の基礎を作るタンパク質が糖化すると、肌の弾力が失われたり、骨や血管がもろくなったりと、体全体の老化を加速させてしまいます。

糖化は、体や血管に糖が存在している限り進むため、日常的に糖の摂りすぎを防ぐことが最も重要な対策となるのです。
注意したいのが、ブドウ糖よりも糖化を強く進める果糖を多く含む食品です。
菓子パンやドーナツ、クッキーなどのお菓子は、高温で焼く際にメイラード反応が起き、糖化を促進するAGEs(終末糖化産物)が多く生成されてしまいます。

さらに、清涼飲料水や甘いジュースに含まれる果糖ブドウ糖液糖も、血糖値を急激に上げ、体内のタンパク質と結びつきやすく老化を加速させます。
「小腹が空いたから」と菓子パンや甘い飲み物を摂る習慣は、知らず知らずのうちに糖化を進め、肌のしわやたるみ、骨や血管の衰えといった老化現象を早めてしまいます。

間食するならナッツや無糖ヨーグルト、果物でもベリー類のように糖質が少ないものを選ぶと血糖値の急上昇を抑制することできます。

揚げ物で老化物質が増加する
食材を調理するときに一緒に摂取する油は、体の老化を左右する大きな要因になり、特に問題なのがトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸は、植物油を高温で加工する際や、油を繰り返し使うことで生じる不自然な脂質で、体内で活性酸素と結びつきやすく、血管を傷つけて動脈硬化や心臓病、脳血管疾患の原因になるとされています。
マーガリンやショートニングを使ったパンや洋菓子、スナック菓子にはこのトランス脂肪酸が多く含まれている場合があります。
さらに、どんな油でも加熱を繰り返すと酸化が進んでいき、酸化した油を摂取すると、体内の細胞や血管の酸化を促し、炎症を引き起こして老化を早めてしまいます。

ポテトチップスやスナック菓子、揚げ物、そして、一度揚げた冷凍食品などは、酸化した油の代表的な食品となり、これらを習慣的に食べることは、体全体の酸化を加速させることにつながります。
揚げ物は、AGEsが大量に発生する調理法になり、AGEsは糖とタンパク質が高温で反応してできる老化物質で、血管や皮膚の弾力を奪い、シワやたるみ、動脈硬化などの原因となるのです。

日本人は、揚げ物が好きな傾向があり、知らず知らずのうちにAGEsを多く取り込んでしまいがちです。

揚げ物を食べる際は、揚げたてで酸化の進んでいない油を使った料理を選んでいきましょう。
家庭でも新品の油を使い、何度も使い回さないよう心がけ、頻度を減らし、オーブン焼きや蒸し調理など油を多く使わない調理法を取り入れることで、老化を促す物質の摂取を大幅に減らすことができるのです。

人工甘味料は逆効果になる事も
スーパーやコンビニには「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」といった表示の飲料やお菓子があふれています。
これらには人工甘味料が使われ、砂糖などの糖類が含まれていないため、血糖値を上げずインスリンの分泌もほとんどなく、一見すると体重管理や糖尿病予防に理想的な食品のように思えます。

しかし、人工甘味料には見過ごせない問題があり、まず甘みを強く感じることで、脳が「糖が入ってきた」と錯覚し、食欲が刺激されることがあるのです。
その結果、かえって食べ過ぎを招き、摂取カロリーが増えてしまう恐れがあり、人工甘味料が腸内細菌のバランスを乱し、血糖値のコントロールに関わる代謝機能を低下させる可能性も研究で報告されています。

さらに、長期的な摂取が味覚にも影響し、自然な甘みでは満足できなくなり、果物や野菜など本来の自然な甘さを感じずに、より強い甘味を求めることで、結果的に糖質の多い食品への欲求が高まるリスクも考えられます。
ゼロ飲料やゼロ菓子は、あくまで一時的な補助として利用する程度にとどめ、基本は食材本来の味を楽しむことが重要になります。

水やお茶、無糖の炭酸水などに切り替えるだけでも、味覚や腸内環境は次第に整っていき、「ゼロ=安心」とは限らないことを理解し、人工甘味料との付き合い方を見直していきましょう。
疲れた時の甘い物も逆効果
疲れやイライラを感じたとき、つい甘いものに手が伸びてしまいがちですが、甘い物を食べると血糖値が上がり、血糖を下げるホルモンであるインスリンが分泌されます。
インスリンは、血糖値を下げるだけでなく、体内でタンパク質を合成する際にも関わる重要なホルモン。

タンパク質はアミノ酸からつくられますが、インスリンが分泌されるとトリプトファン以外の多くのアミノ酸が筋肉などに取り込まれ、血中のトリプトファン濃度が相対的に上がります。

トリプトファンは、脳内でセロトニンを生成する材料、セロトニンは気持ちを落ち着ける働きがあるため、イライラしたときに甘いものを食べたくなるのは、脳が自然にリラックスを求めているサインとも言えるのです。

確かに甘い物を食べた後、一時的に心が落ち着いたり気分が上向いたりするのはこのメカニズムによるものです。
しかし、この効果は長くは続かず、急激に上がった血糖値はインスリンによって急降下し、血糖値の乱高下が起こります。
その結果、再び強い空腹感や甘い物への欲求が生じ、イライラや集中力低下を招く悪循環に陥りやすくなり、疲労感が抜けない、気持ちが不安定になるといったメンタル面への影響も大きく、結果的に心身のバランスを崩す原因にもなるのです。

疲れを癒やしたいときは、ナッツや高カカオチョコレートなど血糖値を急上昇させない間食を選び、ガムを噛むことで噛む刺激による脳の活性化とストレス軽減効果も期待できるのです。
甘いものを無理に我慢するのではなく、体に優しい代替食品を取り入れることで、安定した気分とエネルギーを保ちながら疲れを癒やすことができるのです。

プロテインはあくまで補助に
筋肉の維持や体づくりを意識する人にとって、プロテインは手軽にタンパク質を補える便利な食品です。

現代は、朝食や昼食でタンパク質が不足しがちで、忙しい日でも水や牛乳に溶かして飲めるプロテインは心強い味方になり、筋肉の分解を防ぎ、体力や免疫力を維持するうえでも一定の効果が期待できるのです。
しかし、プロテインはあくまで「タンパク質補給」の役割に限られ、体の代謝やエネルギー産生には、糖質や脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など多くの栄養素が必要になります。

筋肉の合成やエネルギー代謝に欠かせないビタミンB群が不足すると、せっかく摂ったタンパク質も効率よく吸収・利用されません。
プロテインだけで食事を済ませてしまうと、栄養バランスが偏り、かえって体づくりの妨げになる恐れがあるのです。

近年は、ビタミンやミネラルを添加したプロテインも増えていますが、自然の食品に含まれる栄養素のように複合的に働くわけではありません。
筋肉や体全体の健康を守るためには、肉や魚、卵、大豆製品、野菜、果物、穀物など多様な食材を組み合わせ、自然なかたちで栄養を取り入れて対策をしていきましょう。

エナジードリンクの注意していく
今ではコンビニや自動販売機に多くのエナジードリンクが並び、甘さと炭酸の爽快感から手軽に飲めるよう工夫され、眠気を覚ましたり仕事や勉強の効率を上げる目的で利用する人も多いでしょう。

しかし、エナジードリンクは疲れそのものを取る飲み物ではなく、飲んだ直後に感じるスッキリ感は、主に糖分とカフェインの作用による一時的なものに過ぎません。
エナジードリンクに含まれる大量の糖分は、血糖値を急激に上げますが、時間が経つとインスリンによって血糖値が急降下し、強い疲労感やだるさが押し寄せます。

またカフェインには、中枢神経を刺激し覚醒させる作用があるため、飲んだ直後は集中力や気分が高まりますが、効果が切れると一気に反動が来て、眠気や集中力低下を招き、これを繰り返すと自律神経が乱れ、睡眠の質も下がりやすくなります。

さらに、エナジードリンクは依存性が高い点にも注意が必要で、甘みと刺激的な味に加え、カフェインが習慣性を助長し、「疲れたから飲む」という行動がやがて癖になってしまいます。
常に飲まないと仕事や勉強がはかどらない、気持ちが落ち着かないという状態は、体にとって大きな負担に変わるのです。

疲労回復には、十分な睡眠や栄養バランスの取れた食事、こまめな休息が何より重要で、眠気を覚ましたいときは、無糖のコーヒーや緑茶でカフェインを少量摂ったり、短時間の仮眠をとる方が体に優しい選択になっていきます。
タンパク質不足はメンタルにも影響
健康志向から野菜中心の食生活を送る人も増えており、野菜はビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含み、体に多くの良い効果をもたらします。

しかし、野菜ばかりを重視するあまりタンパク質が不足してしまうケースも少なくありません。
タンパク質は筋肉や骨、皮膚、臓器をつくる主要な栄養素で、不足すると筋肉が減少し、サルコペニアやフレイルといった体の虚弱状態を招く原因となります。

タンパク質不足は、体だけでなく心の健康にも影響し、タンパク質は、心の安定に関わる神経伝達物質の材料となるアミノ酸を供給する役割を担っています。

特に、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質は、精神を落ち着けたり意欲を高めたりする働きがありますが、タンパク質が不足するとこれらの合成が滞り、うつ病や自律神経失調症、不眠症などメンタル面の不調を引き起こすことがあるのです。
また、皮膚や髪、内臓の修復や免疫力の維持にもタンパク質は不可欠で、不足が続くと肌のハリが失われたり、傷の治りが遅くなったりと、外見にも老化のサインが現れてきます。

野菜中心の食事自体は健康的ですが、タンパク質が不足しては本来の健康効果を十分に得ることはできないのです。
肉や魚、卵、大豆製品、乳製品など、良質なタンパク質を毎食意識して取り入れていき、野菜とタンパク質をバランス良く組み合わせることで、体も心も健やかに保ち、老化やメンタル不調を防いでいきましょう。
コラーゲン製品より食材で作る
アンチエイジングや美肌効果で注目されるコラーゲン、その主要成分となるアミノ酸の約3分の1は「グリシン」という成分でできています。

グリシンは、体内でコラーゲンの生成を助けるだけでなく、神経を鎮めて睡眠の質を高めるなど多くの働きを持っています。
このグリシンは、鶏の皮や豚足、魚の皮、牛すじ、ゼラチンなど身近な食材からしっかりと摂取することができるのです。

市販されているコラーゲンのサプリやドリンクは、そのままコラーゲンとして体内に届くわけではなく、最終的には消化されてアミノ酸に分解されてしまいます。
つまり高価なコラーゲン製品を摂っても、結局は食事から摂るアミノ酸と同じように利用されるだけなのです。
コラーゲンを体内で生成するには、タンパク質とビタミンC、鉄分が欠かせず、ビタミンCはコラーゲン合成を助け、鉄分は酸素を運び細胞の働きを支える役割があります。

かつて大航海時代に壊血病が多発したのは、ビタミンC不足によってコラーゲンが作れず血管の壁が脆くなったことが原因でした。

骨や肌を健やかに保つためには、高価なサプリメントに頼るより、肉や魚、卵などのタンパク質、ビタミンCを含む野菜や果物、鉄分を多く含む赤身肉やレバーをバランス良く食べることが重要になるのです。
フルーツの摂り過ぎは肥満の元に
健康意識の高まりとともに、朝からフルーツたっぷりのスムージーを飲む人が増えています。

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、手軽に摂れるフルーツは一見理想的な健康食に思えますが、フルーツには果糖・ブドウ糖・ショ糖という3種類の糖が含まれ、中でも最も多いのが果糖です。
果糖は、摂取すると小腸から吸収され、主に肝臓で中性脂肪に変わる性質があり、ブドウ糖やショ糖は血糖値を直接上げることでインスリンの分泌を促し、脂肪の合成を助ける働きがあります。

これらの糖が重なることで、エネルギーとして使いきれなかった分は体脂肪として蓄えられやすくなり、肥満の原因になってしまうのです。
さらに、近年のフルーツは品種改良によって糖度が高く、甘みが増したことで少量でも多くの糖質を摂取することになり、スムージーなどにして飲むと咀嚼の手間が省かれ、胃腸での吸収が早まって血糖値が急上昇しやすくなるのです。

もちろんフルーツはビタミンCやカリウム、食物繊維など体に必要な栄養素が豊富、大切なのは摂り方と量になり、1日100〜200g程度を目安に、スムージーやジュースではなくそのまま食べていきましょう。
乳製品が不調の原因にも
腸内環境を整えるために毎日ヨーグルトを食べている人は少なくありません、発酵食品は腸の善玉菌を増やし、便秘や免疫機能の改善にも役立つといわれています。
しかし、乳製品に含まれる「カゼイン」や「乳糖」が体に合わない人もおり、注意が必要です。

カゼインは、牛乳に含まれる主要なたんぱく質の一種で、牛乳タンパク質のおよそ8割を占めます。
消化されにくい性質があり、人によっては小腸の粘膜に刺激を与え、腸内の炎症や消化不良、ガスや腹部の張りを引き起こすことがあります。

また、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素が少ない「乳糖不耐症」の場合は、下痢やお腹の痛み、便通の乱れが起こることもあります。
ヨーグルトを食べて便秘が解消していると思っていたのに、実は、カゼインや乳糖が原因で逆に腸内環境を乱していたというケースも珍しくありません。

腸の不調だけでなく、カゼインによる炎症反応が肌に影響し、肌荒れや吹き出物といったトラブルを引き起こすこともあるのです。
もし、ヨーグルトやチーズなど乳製品を摂ったあとに腹部の不快感や肌の不調を感じる場合は、無理に続けず、医師に相談したうえで一度乳製品を控えてみることが重要になります。
代わりに豆乳ヨーグルトや発酵大豆食品、野菜の発酵漬けなど、腸に優しい植物性の発酵食品を取り入れれば、腸内環境を整えながら体質に合った健康管理ができるようになります。

糖化を防ぐビタミンB群
老化の原因のひとつに「糖化」があり、糖化は、しわやたるみ、血管の弾力低下、骨や関節の衰えなどにも関わっています。

糖化を防ぐためには、何より血糖値を急激に上げない食べ方が基本になり、間食の見直しや主食の質を整えることはもちろん、栄養素の選び方も重要になるのです。
その中でも重要なのがビタミンB群で、ビタミンB1は糖質の代謝を促し、エネルギーに変換する際に余分な糖を溜めにくくします。
ビタミンB2は、脂質や糖質の燃焼を助け、B6はアミノ酸代謝を整え、これらが不足すると糖質が体内に滞りやすくなり、AGEsを生み出す要因になります。

さらに、細胞の生まれ変わりを助ける葉酸も血管や肌の修復に欠かせません。
ビタミンB群や葉酸は、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの葉物野菜、豚肉、レバー、卵、魚、豆類に豊富に含まれ、毎食に緑の野菜を添え、主菜に魚や大豆製品を取り入れることで、糖の代謝と修復力を高めることができるのです。

酸化を減らしていく食事を
私たちは呼吸をして酸素を取り込み、エネルギーをつくることで生命を保っているのですが、酸素を吸い続ける限り体内では必ず「活性酸素」が生じます。
活性酸素は、細菌やウイルスを退治するなど必要な働きもありますが、増えすぎると細胞や血管を傷つけ、シミやしわ、動脈硬化、がんなど老化や病気を進める原因となります。

完全に防ぐことはできませんが、食事を工夫することで活性酸素を減らし、酸化のダメージを抑えることは可能になるのです。
対策は、抗酸化作用をもつ栄養素をしっかり摂ることになり、代表的なのは「ビタミンACE(エース)」と呼ばれるビタミンA・C・Eの補給です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を保護し、ビタミンCは、活性酸素を直接除去しながらコラーゲンの生成を助けます。

ビタミンEは、血中脂質の酸化を防ぎ、細胞膜を守る働きがあり、これらを組み合わせて摂ることで、互いの抗酸化力を高め合う相乗効果が期待できるのです。
さらに、鮭やエビ、カニに多く含まれるアスタキサンチンや、トマトに豊富なリコピンも強力な抗酸化物質になり、これらを日常の食事に取り入れることで、活性酸素の発生を抑え、血管や肌の若々しさを守る助けとなります。
まとめ
老化を進める「糖化・酸化・炎症」は、特別な薬ではなく、毎日の食事と習慣の見直しで確実に減らしていくことができます。

現代の食卓は高糖質・高脂質・低タンパクに偏りやすく、腸の炎症、血糖値の乱高下、ホルモン低下、メンタル不調など多くの不調の土台となります。
まずは、タンパク質を意識的に増やし、良質な脂質を取り入れることで体の基礎が整っていき、小麦や菓子パン、揚げ物、人工甘味料、果糖の多い食品を控えるだけでも糖化と酸化のダメージは大きく減少します。

また、オメガ3の不足、ビタミンB群やビタミンACEの不足は老化を早めるため、魚、卵、大豆、野菜、果物をバランスよく摂り、腸に合わない乳製品やエナジードリンクの多用を避けることが重要です。

小さな選択の積み重ねが、体の内側の炎症を鎮め、血管や肌、脳の若さを守り、健康寿命を大きく伸ばします。
今日の一歩が未来の自分の元気をつくることを忘れず、無理なく続けられる習慣へと変えていきましょう。

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